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U.Kaye Presents いつか、New Orleans

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semスキン用のアイコン01 時をかける少女@テアトル池袋  semスキン用のアイコン02

2006年 08月 27日

今月末で閉館になってしまう、テアトル池袋。最近気づいたのですが、それは寂しいものです。そこで観に行こうとなって作品がコレ。レイトショーのみだったけど、昼間の「森のリトルギャング」と比べて、懐かしさも手伝ってこちらを選びました。

昔、西武のリブロとかイルムス館とかあるあの辺り、その昔、アフター5&週末のメインの活動エリアだったもので。あの街も、変わってないようで、ちょっとずつ変わり続けていますね。セゾン美術館がなくなってからはもう久しいか。そして、最近よく話題になるラーメン屋のひとつ、「光麺」、どこにあるのかと思いきや、そこって昔、これまた行列のできる店だった、「上海ヌードル」だった場所じゃない。あの店が形態を変えて光麺になったのか、それともまったく別の経営か。

時をかける少女@テアトル池袋_a0037729_11464449.jpgさて、23年ぶりのリメイクとなったこの作品、リメイクといっても、全く別物です。時をけかること、主人公が少女で脇を固めるのが男友達2人ってコンセプトは、やはり「時をかける少女」だ、と思わせます。オマケに、作品の鍵となるシーンのひとつに、急な坂道を自転車で駆け下りたところに踏み切り、っていうのがあるのですが、あの坂道と商店街、原田知世版の舞台尾道を想像させますね。実際走ってる電車見ると、東京の私鉄って感じですけど。

で、コレ、超アタリです。アニメだからこそできる表現って、いっぱいありますね。まず、冒頭で主人公紺野真琴が、ブレーキの壊れた自転車で坂道を駆け下りて、踏み切りで止まりきれなくてアッ・・・となるシーン。アニメだと、生生しさは排除できて、だからといってハラハラドキドキ、緊張感が弱まるのかといったら、その逆。たとえば、必至にブレーキをかけようとする手元の描写とか、そういうところって、実写で書くと味気ないけど、アニメでは自由に味付けできてこうした効果を最大限駆使して、伝えるべきものをしっかり伝えています。それで、この命の危険が迫った瞬間、時間移動(タイムリープ)によって、ちょっと前の時間、踏み切りのちょっと手前の坂道に戻って自転車ごと転倒することで、助かるわけですが、そのドテン、と転ぶシーンも、衝撃が誇張できて作品が引き締まりますね。ここでおぼえてクセになったタイムリープを、その後何度も使うようになるのですが、ある出来事に対し何度でもやり直しをすると、必然的に同じシーンが何度も登場することになる。これは個人的な好みかも知れないけど、さすがに5回も6回も実写で同じシーン出されると、うんざりしそうなんだけど、アニメだと許せる。さらに繰り返しが続くと、今度は早送りの描写になって、これも滑稽さがナイス。原作の活字じゃ、絶対に真似できない表現ですよね。こういうのがあると、本だけじゃなくて、映画観てよかった、っていう気分になります。

タイムリープで同じ場面を何度も繰り返す象徴的なシーンが、遊び仲間千昭から告白されて、それを取り消すために過去に戻って行動を変えるんだけど、いろいろ試してもやっぱり告白されまくって、ついに最後逃げ切るんだけど、、、というシーン。その後、相手の気持ちを本気で受け止めず、はぐらかす目的でタイムリープを多用したことに自己嫌悪に陥る真琴。ここは切なかったなー。青春っていいなー。タイムリープという素材を上手く生かしながらね。

最後まで観て、心にズシンと響きました。原作のキーワード、キーアイテムだけ残して、表現方も実写からアニメへと、これだけまったく別の素晴らしい作品を作れるなんて。もしかして、これでミュージカルも作れるかな?もちろん、今回のお話は、アニメだからこそ輝いたのであって、舞台用はまた、それが生きるようなストーリー考えてね。

by UKaye | 2006-08-27 12:05 | Movie