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U.Kaye Presents いつか、New Orleans

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semスキン用のアイコン01 B'wayプレイバック -Harvey Fierstein版 Fiddler on the Roof  semスキン用のアイコン02

2005年 01月 17日

昨年の3月にAlfred Morinaで観て以来、2度目です。でも、比較するほど前回の記憶はありません(笑)。
ミュージカルを好きなものとそれほどでもないものに分けるとすれば、これは後者に入ります。何でだろうって考えたんですけど、まずは、感情移入しにくい。'Match Maker' Yenteの斡旋なんかより、Tzeitelが選んだ好きな人と結婚させてあげるの、普通でしょ。それが、斡旋相手があんなオヤジ(何歳だったか、忘れたけど、父親Tevyeとそう変わらない、今回の西川きよしの娘の結婚のようなパターン)じゃ、なおさら。だから、Tevyeへの同情が、自分には生まれない。初っ端がそうだから、次女、三女についても連鎖的に然り。少なくとも、Tzeizelが恋人Motelと結婚した場合、常識的には不幸に見えるけど、でもTzeizelはこんなことに幸せを感じている、っていう場面を見せてくれたら、評価は変わるけど、Motel、貧乏と説明はされてるけど、後になって、苦労はしながらもミシンを変えることから、「貧困」とまではいかず、観客から観て2人は常識的に「貧しいけどささやかに幸せ」と感じるんですね。だから、Tevye、何悩むんだ、と。
で、結末も、いくつか用意されたユダヤ狩りを匂わせる場面から、安直に推測できて、ひねりがない(まあ、伏線があるので唐突じゃないだけいいんですけど)。歴史的事実としてのユダヤ狩りは遺憾に思いますし、これからの世界に生きてゆく我々がこのようなことを二度と繰り返してはいけない、と胆に銘じるべきであることは、同意しますよ。でも、その悲劇を題材にした作品が、お金を払って観るショーとしていかほどなものか、というのは別の議論ですので、ユダヤ迫害を軽視しているとは思わないで下さいね。私が感じたのは、こういう歴史的悲劇を安直に利用して、3人の娘の結婚が幸せか否かについて煙に巻いて話を終わらせちゃったなぁ、と。
歌は、最もインパクトあるのが初っ端の"Tradition"。コレに続く姉妹によるキレイなコーラス(ユニゾンだったっけ?)"Match Maker"とTevyeによる"If I Were a Rich Man"が次に印象に残る歌で、要は最初の3曲に集中してて、あとはトーンダウンしていく感じ。ダンスも、ホントは難しいのかもしれないけど、素人にはそうは見えなかったし(ロシアンダンスでは、コサックを期待してたけど、現れず)、以上の印象から、ショー場面もあまり感動がなかったです。
かつての名作が、今回苦戦しているのは、私と同じ考えの人が多いからじゃないかな?オリジナル上演当時はまだ、Match Makerによる結婚は極端にしても、「伝統を守る」ことがかなり美徳とされ、その観点から当時の観客には同情されたのでしょうか。それが、「馬鹿げた伝統は、馬鹿げたものでしかない」と冷静に考えられるようになった現代に、この作品に再び域を吹き込むことは至難の業だったようで。

で、コアなファンはHarveyについて語るんですよね。トークが優れてて役者としてはMorinaより優れているそうですが、私は台詞理解できないんで、インスピレーションでしか言えません(笑)。ところどころで笑いが起きて、これは喜劇だったっけ、と思ったけど、こういうところがHarveyの力量なのでしょうか(Morina時代の記憶がないもので)。ゲイっぽさは、感じませんでした。"If I were a Rich Man"は、本当は太くて澄んだ(?)声で歌って欲しいという気持ちはあるけど、こういうテイストもありかな、ぐらいに。

"If I Were a Rich Man"、英文法で仮定法教えるのにいい例文だ!と思いきや、if節だけで主節ないじゃん。続きが♪*※▼◎%#■△▲▽※○★☆◎~ じゃねぇ。

by UKaye | 2005-01-17 00:44 | Broadway