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U.Kaye Presents いつか、New Orleans

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2005年 01月 05日

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いよいよ、今日からブロードウェイ。第1弾が、この"LITTLE WOMEN"。角川文庫などの日本語訳でいうと、「若草物語」と「続・若草物語」をカバーしてるミュージカルです。この2シリーズが4姉妹の生活を描いていて、その後は若草物語(第3)、(第4)とジョー先生の教え子たちのエピソードになるわけですが、実際、シリーズのどこまでが原作の"LITTLE WOMEN"なんでしょうね?ちなみに、前2シリーズはそれぞれ上下に本が分かれてまして、予習には4冊読破が必要です。私の場合、「若草物語」の下の1/4まで読んだところで、この日を迎えてしまいました。勉強の足りなさ、反省です。

観る前からの予想として、こんな重厚な原作を、2時間ちょっとの舞台でまとめるのは辛いだろうな、と思っていたのですが、その通りというのが私の印象です。原作(日本語訳)読破してないので細かいことはいえませんが、「若草物語」だけで26のエピソードからなっていますので、ざっと勘定して、50強のお話をコンパクトにまとめちゃった、って感じでしょうか。原作の魅力って、ひとつひとつのエピソードが重たくて、姉妹たちが何かを感じ、少しずつ少しずつ成長していく、その過程をじっくり味わうことにあると思うのです。だから、ミュージカルお得意の、伏線場面をいくつか用意して、フィナーレで一気に片をつけてメデタシメデタシ、っていうパターンにはもっていけない。ミュージカルは、4姉妹の次女ジョーの結婚(求婚の受諾というべきか)で終わったわけですが、それは確かに重要なエピソードです。しかし、別に昔から結婚したくて仕方がないのに相手に恵まれなくて困ったというような過程でもなかったし、頑なに結婚しない主義を貫いていたのに転機によってついに結婚という結びでもないし(「結婚しない」宣言はしてたけど、それは嫁に行くには伝統的な良き妻の像を自分が目指すのは似合わないという意味で、結婚そのものを完全否定する主義ではないと私は感じていました。そして物語の後は、ジョーは伝統的良き妻ではなく、自分の個性で妻を務めてゆくのでしょう)、つまりは、1エピソード以上の意味はもたない。こんな理由で、歯切れの悪さを感じちゃったかな。

私が小説を読んだ範囲で、とっても重要な場面がありまして、それは、4女エイミーが、ジョーと長女メグが誘われた舞踏会(小説では観劇)に自分も行きたいとダダをこねて、ジョーから猛烈に毛嫌いされて置いていかれたのに腹を立て、ジョーの大事な小説原稿を焼いてしまうシーン。もちろん、ジョーにとって命と同じくらい大切なものを台無しにされたわけだから、怒りがこみ上げてきて当然です。しかし、その反応といえば、取っ組み合いの型をとって、怒った表情は見せるのですが、怒りのリアリティが伝わってこない。コレに続く話で、ジョーのスケートについて行ったエイミーが、薄氷を踏んで溺れてしまい、危うく溺死か凍死かその両方か、という場面があり、ジョーがその原因は、ウザいエイミーを振り払ってさっさと見えないところまで逃げてしまった自分にあると、とてつもない自己嫌悪に陥ります。「恨み」の感情が妹を殺しうるということで、そんな気持ちを抱いた自分がイヤになる心情、私の駄文では表しきれませんが、とにかく物凄いことは容易に想像できますよね。ここも、舞台でさりげなく流してオシマイ。

もうひとつ、私が予習しなかった「続・若草物語」のゾーンに入ると、3女ベスは病に倒れて死んでしまうのですが、死の前の海岸でのジョーとの思い出のエピソードは綴られていますが、死のシーンはなく、次の場面で久しぶりに家に帰ってきたエイミーが母、メグそしてジョーまで呼んでオシマイ、ということろでベスはもういないんだ、と観客が悟ることにまりす。

こうして、「怒り」「自己嫌悪」「死」という生々しい表現は、すべて避けて通りました。この辺強調しちゃうと、途中のそんな場面ばかり浮き上がって、相対的にフィナーレがショボく終わっちゃいますからね、舞台ではそうするしかなかったんでしょうね。鍵となる感情の表現ができないということで、つくづくミュージカルに向かない作品なんだな~、と感じました。これ、やっぱり、連続ドラマ向きでしょう。つながったストーリーの中にも、1話1話に独立性もあるってことで。

さて、ジョーの役を演じたサットン・フォスター、役のときはそんなに感じなかったけど(男っぽい女性なんだから、そうですよね)、出待ちで現れたその姿は、とってもカワイかったです。作品の出来はともかく、サットンを観れたことはやっぱり幸せです。写真、2ショットで撮ってもらったんだけど、不覚にも電池切れで写らず。。。。悔しすぎる!フラッシュは光ったんだけど、あれ、光学カメラと違って写すのに相当電気食うんですね。宿に帰って、ためしにPC画面用の低解像度でプレイビル写したら撮れました。欲張らずに低解像度で写しておけばよかった、ていうのは後の祭り。それより、大事な写真撮るときは新しい電池使えよって、ごもっとも。もちろん、プレイビルにサットンのサインはもらいました。せめてもの慰め。あーーーー、悔しいっ!
きょうブロ\'05冬 -LITTLE WOMEN_a0037729_16401956.jpg

by UKaye | 2005-01-05 15:49 | Broadway